「団地と滑り台」特集
●このページについて 当保存館における、滑り台の主な記録場所に団地があります。 これには、地図上で公園の規模がある程度推測できる（設置されている遊具の規模がわかる）、通常の街区公園と違い建設年度が明確なので滑り台の施工年が推測しやすい（＝狙った年代の滑り台を探せる）、市立の公園と違い造園時の形態を保っている場合が多い（昔の滑り台が多い）等の理由によるものです。 管理人である酉は、それなりの数の団地（集合住宅）を巡ってきたのですが、その結果「都営」「公社」「公団」それぞれの傾向や、固有の滑り台の存在に気付いたのでまとめてみます。 なお、一般の街区公園で見られるスタンダードな滑り台や、最近のものについての記述は省きました。 また、これは東京都西部での傾向であり、全国的に共通した傾向であると断言できない事を補足します。 ちなみに、団地そのものについての知識や情報などは「団地百景」さんが詳しいです。当保存館は、都営・公社・公団各団体の公式サイトへのリンクもありますので、そちらもご利用ください。 |
|
●東京都住宅局（都営） 東京都住宅局は、都の公営住宅を運営しています。 （県なら県営、市なら市営） ベビーブームと呼ばれた時代、まだ小さな子供がいる世帯を対象とした団地を多数建設したためか、遊具のバリエーションは最も多いように思います。 今のところ、都営の団地でしかみられない滑り台を2種確認しています。また、タコの山を設置した団地も見られます。
都営団地内の「タコの山」
|
|
●東京都住宅供給公社（公社） 住宅供給公社は、各都道府県ごと独立した組織が置かれています。 なんとなく地味な印象のある公社ですが、60〜70年代の公社住宅の団地には、（今のところ）他の団地や公営の街区公園などではみられない固有の滑り台が見られます。この滑り台は、2つセットでの設置を多く確認しています。 大規模な公社の団地では多数の大型遊具を揃えていることもありますが、公社住宅の公園に共通して言えるのは、遊具の選定や配置に関して生真面目な規則性があり、大胆な遊び心を感じない事が多いということです。
公社団地に設置されていた、変わった形状の滑り台
|
|
●都市再生機構（旧公団） 日本住宅公団→住宅都市整備公団→都市基盤整備公団→都市再生機構と名称を変更し続ける旧公団は、日本最大の大家さんです。 公団は、公営・公社とは異なる家族構成・世帯を入居者として想定しているケースが多いのか、児童公園の存在を大きく感じることがあまりないです。見た目の派手さや楽しげな雰囲気よりも、小奇麗にセンス良くまとめている印象があります。 ところで滑り台形式のなかに、そのものズバリ「公団型」というものがあります。「公団型」と呼ばれるからには、デザインの策定に際し公団が何らかの形で関わっているのではないかと思うのですが、いつ頃から用いられはじめたのかなど詳細はわかりません。 公園遊具には、「日本公園施設業協会」という団体が基準案を策定した「標準規格品」とでもいうものがあるようです。「公団型」もこれに似たようなものでしょうか。 この滑り台は、公団の団地に関わらず、様々な公園で見る事ができます。
「公団型」の派生形
公団型滑り台を扱っているメーカーと、そのカタログへのリンク ・株式会社富士産業→カタログ ・稲荷体育用品株式会社→カタログ ・株式会社三英→カタログ ・森造形センター株式会社→カタログ ・株式会社中村体育→カタログ ・都村製作所株式会社→カタログ （ネット上で確認できるもののみです。この他「丸山製作所」製のものを確認しています） |
ホーム /読み物その他